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お酒ニュース 茨城版:新たな県酒米 開発へ 試験米で初の醸造 交配10年 「ひたち錦」以来 

茨城県はオリジナルの酒造好適米(酒米)の開発を目指し、今季、試験米で初めて酒の仕込みを行った。約20年前に開発した初の県オリジナル酒米「ひたち錦」と比べ、溶けやすさや粒の大きさなどが優れているという。新酒の出来次第では、新たな酒米誕生の可能性が高まるとあり、関係者は期待を膨らませる。

試験米は交配から約10年かけ、醸造にこぎ着けた。ひたち錦に比べ、米麹(こうじ)が育ちやすく、アルコール発酵のバランスが優れる「心白粒(しんぱくりゅう)」率が高いという。病害への耐性を維持しつつ、溶けやすさや収量などで上回る。

開発を進める県農業総合センター普通作育種研究室(水戸市)によると、試験米を使用して酒造りまで進んだのは、ひたち錦の開発後初めて。新酒の結果を確認した上で、改良や酒蔵を増やすなどして新しい酒米誕生に向け、さらに研究を進める考え。

県酒造組合は酒米の開発を県に要望してきた。全国の鑑評会で入賞する日本酒の多くは兵庫県産酒米「山田錦」を使用。複数種の酒米を開発する県も目立つ。県内の蔵元からは、酒米が1種類に限られることを不安視する声もある。近年の夏の猛暑により、酒米が硬くなるなど酒造りへの影響を危惧する。

県や酒造会社は、茨城県初のオリジナル酒米、ひたち錦で仕込んだ日本酒の統一ブランド「ピュア茨城」を展開してきた。新たな酒米が誕生すれば、気候温暖化の影響などのリスク分散とともに、味のバリエーションを広げられると期待する。

ひたち錦は地酒のイメージ向上や販売拡大のため、茨城県の気候に適した酒米として開発された。2001年に県の栽培奨励品種に指定。出来上がった酒は透明感の高いすっきりとした味わいに仕上がるとされる。一方で「硬質さ」があるとして、難しさを指摘する声もあるという。

普通作育種研究室の岡野克紀室長は「酒米の開発には時間がかかるため、まだ道半ばと考えている。生産者や酒蔵などの要望に応えられるよう、引き続き研究を進めたい」と話す。(茨城新聞クロスアイ)

たのしみですね!!

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