
2025年8月9日(土)、つくば市の「iimura-ya」にて『飯村牛 × 日本酒・日本ワイン スペシャルペアリングランチ 第2弾』を開催いたしました。
今回のイベントでは、ただ美味しいお酒をそろえるだけでなく、「過去・現在・未来」という時間の流れをテーマにお酒の銘柄を選びました。
日本酒もワインも、それぞれの時代を映すような味わいがあります。
昔から愛されてきたもの、いまの時代を象徴するもの、そしてこれから評価されていくだろう新しい感覚のお酒──そんな思いを一杯ごとに込めました。
過去──受け継がれてきた味わい
長年地域で愛され、醸造技術や土地の個性をしっかりと表現してきたお酒たち。
変わらない安心感や、熟成によって生まれる奥深い風味は、まさに日本酒・ワイン文化の礎です。
・本醸造 月の井 / 月の井酒造(茨城県)

匠の杜氏の造る味わい。
辛口の中にも旨みのあるお酒、昔は当たり前でしたが、今は、酒屋さんにも無いくらいになってしまいました。
素晴らしい経験と技術が、機械化されていくのは悲しさもあります。
東一 純米酒 / 五町田酒造(佐賀県)

こちらも昔から変わりませんね。
旨味をちゃんと残した味わいでホッとします。
いまも人気のある銘柄ですが、昔からの味わいを変わらず残してくれてるところから、「過去」のセレクションに入ってます。

・ロリアン セラーマスター 甲州 2019 / 白百合醸造(山梨県)

2019という昔のヴィンテージから、もうすでに過去の味わいですね。
また、このワインは、違う名称になっており、もう飲めない味わいというのも素敵なポイントです。
個人的には、熟成前のスッキリとした甲州を飲んでみたかったです。

現在──いまを映すお酒
現代の造り手たちは、地域の個性を守りながらも、新しい感覚を加えています。
食事とのペアリングや軽やかな飲み口、香りのバランスなど、いまの嗜好に寄り添ったお酒がここにあります。
また、「自然派」というワードにも意識を向けてあります。
・城陽 純米吟醸60(山田錦)夏季限定酒 / 城陽酒造(京都府)

まさに、いまの日本酒!
甘さもあり、飲みやすく、炭酸を感じる・・・
現在の日本酒の造り手は、こういう日本酒が好みの方が多いと思い、こちらを選びました。
もちろん、私のお友達が売ってるから!というのも大きなポイント。
日本酒で、世の中を反映させれるような気がしたのも、選んだ理由の一つです。

・共栄堂 Y24HR-RZ(2024年春リリースのロゼ) / 共栄堂ワイナリー(山梨県)

自然派ワイン、特徴をたてるワイン、そんなワインが日本ワインのトレンドと言っていいと思います。
こちらも、お酢????くらいの強い酸味が印象的でした。
小規模ワイナリーは、愛好家向けのものが特徴的なワインが多いかとは思いますが、参加者の皆様には好評でした。
未来──これからの評価を見据えて
未来を象徴するのは、挑戦的な醸造方法や、新しい原料の可能性を探るお酒。
「こういう味わいがこれからのスタンダードになるのでは?」という期待を込めたセレクトです。
・久保田 純米大吟醸(当日のスペシャル)/朝日酒造(新潟県)

現在、お酒にお金を使うことをためらう人が増えてきたなと言う印象です。
そういった中で、1000円台の素晴らしいクオリティの純米大吟醸は、「ちょっと呑んでみようかな?」という気持ちを後押ししてくれるような気がしました。
これからも、悲しいかな、お酒の消費量は減り続けると思いますが、何かを変えていかないと未来は変わらない。
そういう気持ちをこの日本酒に込めてみました。

・TSUKUBA SERIES 2024 小公子 / Tsukuba Vineyard(茨城県)

お馴染み!と言わないでください笑
今年、世界規模のワインコンペティションで、ついに、日本の山葡萄を使ったワインが賞を取りました。
国際品種ではなく、山ぶどうが、未来の日本ワインの主となるのではないか?
国際品種で世界のワインと勝負しなくてもいいのではないか?
そういう自分の思いが、結果になったなと感じるニュースだったと言えると思いましたので、こちらも未来を感じさせてくれるワインになりました。
・mäkioka2024(こちらもスペシャル)/三養醸造(山梨県)

こちらのワインがどうして未来なのか。
実は、黒ブドウも白ブドウも一緒に醸造してしまったからなんです!
こんなに気候が変わってしまったのだから、ブドウも出来不出来はバラバラになってます。
このブドウは良かったけど、このブドウはダメだった、そんな日本のワイナリーの声は珍しくないです。
であれば、
「ミックスしてよくない??」
「結果的に美味しかったらいいんじゃないの??」
そう思いませんか?
捨てるくらいなら、クオリティが悪いと言われるくらいなら、少しでも美味しくなるような方向性を広げていくのはとても良いと私は思っています。
まだまだ、温暖化も止まらないでしょう、昔のようなブドウはできないでしょう。
ですので、新しいワインの可能性を、このワインで感じ取ってもらえたらと思い、こちらも選びました。

以上となります!
この日限りのラインナップは、まるで時間旅行のよう。
グラスを傾けながら、過去から未来へと移り変わるお酒の世界を体感していただけたら嬉しいです。
余談ですが、大手メーカーのお酒はクオリティが高く、お値打ちなものが多いと思っています。
また、スーパーなどでも手軽に買えて、このイベントが終わった後でも楽しめるからいい!という考えのもと、選んでおります。
もう飲めない!希少性!そういったお酒を選ぶのは、自分が望む趣旨とは違うので、自分の主催イベントでは私の思いも感じてもらえたらと思い、大手メーカーも選んでいます。
何事も個性がないとね?