
金属切削加工の今橋製作所(茨城県日立市十王町伊師)が、自社で製造したチタン製酒器をリリースした。
名称は「hikiZAN(ヒキザン)」。
都内で開催した商談展「第15回国際デザイン製品展」に出品したところ、海外や都内のバイヤーから好評で、同社は「販路が広がる感触がある」と手応えを感じている。 デザインの特徴は、純チタンの塊を削り出して表現した独特の形状。
見た目は笠間焼の陶器風で、さびないだけでなく、軽くて丈夫かつ殺菌効果が高いという。
デザインは4種類で、それぞれ形状や色合いが異なる。
同社が培ってきた産業用切削技術を生かし、見た目や口当たりに優れた器の風合いを追求した。 価格は税込み5万9400~6万9300円。
同社は開発当初から海外展開を視野に入れていた。
海外で日本酒ブームがあることに着目し、酒に合う器を作れないかと検討。
地元の酒造会社と連携し、独創的な器と地酒の組み合わせで「メードイン日立」をアピールしたいと考えた。
顧客からの受注生産でさまざまな金属加工品を製造する中、自社オリジナル製品の開発による新事業を立ち上げた。
笠間焼作家に型となる製品を依頼し、機械で切削して成形。
色は手で塗ることで風合いを再現した。 同商談展は最先端のデザイン製品が集まる催しで、優れた商品を求め、国内外のバイヤーらが集まる。同社によると、会場のヒキザンの展示ブースには中国ほかアジア地域のバイヤーが訪れ、ヒキザンを日本酒と一緒に販売したい意向を示している。
また、贈答用としての販売を要望する都内の百貨店もあり、酒器を手に取り、軽さや表面の風合いを確かめる人の姿も見られた。
海外のバイヤーから紹興酒やウイスキーといった他のお酒用のグラスが欲しいという要望や、卸を自社1社に限定して輸出してほしいなど、具体的な提案があるという。
同社でヒキザンの商品開発に携わる所純さんは「国内販売から認知を拡大し、ブランド価値を向上させたい。
製品のバリエーションを広げていきながら海外展開を目指していければ」と、今後の展開について語った。 製品は同社ホームページでも紹介している。
(茨城新聞クロスアイ)
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