みなさんこんにちは♪
なんか不思議な匂いがするな・・
そう、ワインで感じた方もいるかもしれません。
温泉のようなこの香り、それがまさに硫黄の香りです。
自然派ワイン(ナチュラルワイン)と呼ばれるものは、そうした匂いを感じることが多いので、今回はナチュラルワインの話も含めつつ、こちらの疑問を説明していきたいと思います。
まず、硫黄の匂いが感じられる理由はいくつかあります。
主に醸造プロセスや保存方法が関係しています。
1. 酸化防止剤(亜硫酸塩)の使用量が少ない
一般的なワインでは、酸化防止や雑菌の繁殖を防ぐために亜硫酸塩(SO₂)が添加されます。しかし、自然派ワインでは亜硫酸塩の使用を控えるか、極力少なくすることが多いです。
その結果、発酵中に微生物が自然に生成する硫化物(硫黄化合物)の匂いがワインに残りやすくなります。
2. 野生酵母による発酵
自然派ワインでは、培養酵母ではなく、ブドウに付着している野生酵母を使って発酵させることが一般的です。
一部の野生酵母は発酵中に硫化水素(H₂S)やその他の硫黄化合物を生成することがあり、それが「硫黄っぽい匂い」として感じられることがあります。
3. 発酵・熟成中の還元状態
自然派ワインは酸化を避けるため、発酵や熟成中に「還元的な環境」(酸素が少ない状態)で作られることが多いです。
この還元環境では、硫黄化合物が生成されやすく、特に瓶詰め直後や保存環境によって硫黄系の香りが顕著になることがあります。
4. 醸造の管理が繊細
自然派ワインは、通常のワインよりも醸造中の管理が難しく、発酵中のトラブルが起こりやすいです。
その結果、硫黄化合物が生成されるリスクが高くなります。
ただし、適切に管理されたワインではこのような匂いは感じられないことも多いです。
5. 保存環境の影響
自然派ワインは防腐剤が少ないため、保存中の温度変化や光などに敏感です。
不適切な保存環境に置かれると、硫黄化合物が発生しやすくなることがあります。
改善方法
硫黄っぽい匂いが気になる場合、以下のような方法で改善することがあります:
- デキャンタージュ: ワインを空気に触れさせることで、硫化水素のような揮発性の硫黄化合物が減少します。
- 時間を置く: 瓶詰め直後のワインは硫黄系の香りが強いことがありますが、時間が経つと落ち着くことがあります。
自然派ワインの個性と捉えるか、管理の難しさと見るかは好み次第ですが、香りの裏にある製法や哲学を知ると、より楽しめるかもしれませんね!